【DTFのメリット】
多様な素材への適応性
DTFプリントはコットン、ポリエステル、ブレンド生地など、幅広い種類の素材に対応しています。
これにより、様々な製品への柔軟なプリントが可能になります。
生地プリントはもちろんですが、従来考えられなかった木や段ボール等のラッピングや包装への名入れプリントにも対応出来ますのでサービスの幅が広がると思います。
高品質なプリント結果
DTFプリントは鮮明な色彩と高い解像度を実現します。
従来の転写プリントと違い、細かいディテールや鮮やかな色の再現性が求められるデザインに最適です。
小ロットからの生産可能性
DTFプリントは1枚からの少量生産が可能で、カスタマイズされたデザインや限定品の製作に適しています。
これにより、在庫リスクを最小限に抑えつつ、多様な顧客ニーズに応えることができます。
環境に優しいプロセス
DTFプリントは水を使用しないドライプロセスであり、伝統的なウェットプロセスに比べて環境への影響が少なく、基本的には出来上がったシートを熱プレス機で張り付けるだけなので、シルクスクリーンの様に水で版を洗い流す必要も無く、サステナブルな生産方法を求めるビジネスにとって魅力的な選択肢となります。
生産効率の向上
DTFプリントはプリントから転写までのプロセスがシンプルで、生産効率の向上が期待できます。
弊社でプリントする際は片面1プリントの場合、プレス機を2台使って作成すると1時間半で100枚程度の生産量を保って製造しております。
短納期での対応や急な注文にも柔軟に応えることが可能なので、定番の柄に関してはシートさえあれば注文に応じてプリントする事も出来ますので、受注発注で対応する事も出来ます。
また日にちをまたがる大ロットに関しても、翌日の為に版を洗ったり等の作業が必要無く簡単に始める事が出来ます。
【DTFのデメリット】
初期投資の大きさ
DTFプリントに必要な専門機器や材料の初期コストは高額になりがちです。これには、専用のプリンターやインク、転写フィルム、ホットメルトパウダー、シェーカーと呼ばれるオーブン部分などが含まれます。
また、インクが詰まりやすく、長期の休みの日は常に循環を行う為、クリーニングとして大量のインクを消耗します。
尚、DTFプリンターを動かす際はスタート時と終了時にDTFフィルムを1.5mずつ(計3mほど)必要としており、全て廃棄しますので、そちらのコストも問題になります。
技術習得に時間が必要
新しいプリント技術のDTFは、操作方法やプリントプロセスの習得に時間がかかる可能性があり、学習曲線が急な側面があります。特にプレス時間や圧力はメーカーも現在進行形で試行錯誤しており、同じ機種でも数か月で変わる場合もございます。
またプリント用のリッピングソフトも使い方が難しく、導入しても数か月は使い方がわからない期間がございます。弊社では現在までに4台導入しましたが、販売までに全ての機種が稼働までに2か月以上かかっております。
耐久性に関する課題
DTFプリント製品の耐久性は、使用する材料やプロセスによって変わりますが、耐洗濯性(洗濯堅牢度)に問題が生じる場合があります。
適用できる素材の限界
DTFプリントは多くの素材に対応していますが、全ての生地や素材に適しているわけではなく、特定の素材には適用が難しい場合があり、試してみないとわからない場合がございます。
プロセスの複雑さ
DTFプリントは印刷からホットメルトパウダーの適用、加熱、冷却、熱プレスまで、複数ステップにわたる複雑なプロセスが必要です。メーカーによってホットメルトパウダーとフィルムがあり、またその中でも互換パウダーと互換フィルムが存在しているので、その組み合わせを把握するのも大変です。
これらのデメリットを理解し、適切な対策を講じることで、DTFプリントのポテンシャルを最大限に引き出し、ビジネスに活かすことが可能です。
【DTFプリントとインクジェットの違い】
印刷プロセスの違い
DTFプリントはインクジェットプリンターを使用して半透明のフィルムにデザインを印刷し、その上にホットメルトパウダーを散布して熱プレスを用いて生地に転写します。一方、インクジェットプリントは直接生地にインクを噴射してデザインを印刷します。
素材への適応性
DTFプリントは様々な種類の生地に適用可能で、特に伸縮性のある生地や濃色の生地にも高品質なプリントが可能です。インクジェットプリントは柔軟性に欠ける生地には向いていますが、伸縮性が高い生地や特定の素材には制限があります。
また、インクジェットプリントは高さ調節が大変で5.6onzのTシャツをプリントした後に4.1onzのTシャツをプリントするのに高さ調整を再セットする必要があります。
また、布の段差にはエラーが出てしまう為、Tシャツを置く平台に凸凹があるとそちらもエラー対象になり、ポケットの付いているTシャツやポロシャツには対応しておりません。
色彩の鮮やかさと耐久性
DTFプリントは色の鮮やかさとプリントの耐久性が高く評価されています。インクジェットプリントも高品質な色表現が可能ですが、耐洗濯性や長期的な耐久性はDTFプリントに劣る場合があります。
ただ、インクジェットの場合、少し荒々しく印刷されますので、アメリカンなデザイン等は馴染んで印刷される為、好んでインクジェットを使われる方も多いです。
環境への影響
DTFプリントはドライプロセスであるため、水や化学薬品の使用が少なく環境に優しいとされています。インクジェットプリントは水を基にしたインクを使用するため、プロセスによっては環境への影響が懸念されることがあります。
これらの情報を提供することで、ユーザーはそれぞれの印刷技術のメリットとデメリットを理解し、自分のプロジェクトやビジネスに最適な選択をすることができます。
【DTFプリンターとインクジェットプリンター、どちらが購入に適しているか?】
印刷業務の効率化を考慮すると、DTFプリンターの購入を強く推奨します。操作の容易さと迅速な印刷プロセスにより、DTFプリンターはインクジェットプリンターに比べて生産性が高いと弊社の経験からも明らかです。
【DTFプリンターの選択肢】
弊社では「ユーロポート CASCADE カスケードプリンター CSDP-6000ema」、「ミマキエンジニアリング TxF150-75」、「イメージマジック Trans Jet DTTS-602」の三種類のDTFプリンターを利用しています。これらは、インクジェットプリンター「EPSN SC-F2150」と比較して、顕著に高速で効率的な生産が可能です。
「ユーロポート CASCADE カスケードプリンター CSDP-6000ema」

メーカーホームページ
フィルム幅60cm
印刷スピード:1時間でA4だと30枚
価格:約420万
印刷コストA4:70円
「ミマキエンジニアリング社 TxF150-75」

メーカーホームページ
フィルム幅60cm
印刷スピード:1時間でA4だと30枚
価格:約420万
印刷コストA4:70円
「イメージマジック Trans Jet DTTS-602」

メーカーホームページ
フィルム幅60cm
印刷スピード:1時間でA4だと160枚
価格:約380万
印刷コストA4:70円
※DTFの印刷のランニングコストはほとんどのメーカーで差がない状態です。
ガーメントプリンター「EPSN SC-F2150」

印刷スピード:1時間でA4だと15枚
※印刷のみ、前処理の時間は含まれておりません。
価格:約210万
弊社で比較実験の結果、DTFプリント「イメージマジック Trans Jet DTTS-602」はTシャツを作るのにプレス時間を含めて1時間に90枚程度の作成が可能なのに対し、ガーメントプリント「EPSN SC-F2150」は前処理がある為、1時間に4~5枚の生産に留まります。※弊社での実績
【推奨するDTFプリンター】
スピードは「イメージマジック Trans Jet DTTS-602」が最速ですが、印刷スピードが速すぎる為、ホットメルトパウダーの補充やチェックに常に人が付ききりとなり、また発売されてから現在まで半年以上経ちますが、まだ安定しておりません。
現在、高速で安定した性能を求める場合、「ミマキエンジニアリング TxF300-75ep」が推奨されます。しかし、設置には十分なスペースが必要であり、その大きさを考慮する必要があります。
「ミマキエンジニアリング社 DTFプリンター TxF300-75ep

フィルム幅80cm
印刷スピード:1時間でA4だと75枚
価格:
印刷コストA4:70円
当店では持っておりませんが、80cm幅のフィルムに対応しており、2ヘッドなので生産性も当店の持っているTxF150-75に比べて2倍から3倍のペースで印刷出来ます。
【DTFプリンターの購入を検討する際の考慮点】
DTFプリンターの導入は、月間の売上や生産量によってコスト効率が大きく変わります。例えば、月間400万円以下の売上では、印刷代行サービスの利用がより経済的かもしれません。また、現段階のDTFプリンターは白インクの詰まりなどの問題がまだ存在していますが、技術の進化により将来的にはさらに改善が見込まれます。

また、DTFプリンターはサイズが大きいため、搬入時には建物の構造を考慮する必要があります。特に、エレベーターのサイズや1階でのスペースが十分にあるかどうかが、設置可能かどうかの重要な判断基準もあります
【結論】
生産量や将来的な業務の拡張を考慮に入れ、DTFプリンターの購入を検討する際は、最新の市場情報や技術進歩を注視し、適切なタイミングでの投資が推奨されます。このように、DTFプリンターは高い生産効率と柔軟性を提供し、特に大量生産が必要なビジネスシーンでの有効な選択肢となります。
また、DTFは印刷代行業者も多々おります。
弊社でも代行をしており、10cm単位でのDTF印刷代行を350円で行っております。
DTF印刷代行のページはこちら
プリンター本体を購入される前に試しに検討されても良いかも知れません。